産直販売の歴史?とは

全国の直売所やスーパーで産直の現場コンサルやセミナーなどを行っていると、時々「産直っていつから始まったのですか?」と聞かれることがあります。
今回、私なりに「産直販売の歴史」について、要点をまとめてみました。

産直販売は市場を通さず、農家から直接消費者と売買されるのが基本かと定義すると最初は朝市でないかと思われます。
朝市の起源:
商品流通の原初的な形態は「朝市」であり、人類が交換経済を始めたころから行われていました。
現在でも各地で朝市が行われています。
農産物流通の変遷:
農作物の流通は地方卸売市場や中央卸売市場を中心に整備され、農協による系統流通が主体になりました。
しかし、戦後に「無人販売所」として農家の軒先に規格外品などの2級農産物を置くスタイルが生まれ、現在でも広く見られます。
また、果樹地帯や寒冷地などでは「季節販売、期間販売」の“商品が在る時だけ”と言う当たり前の販売スタイルも直売所が基本だったのではないでしょうか。
農産物直売所の成立:
昭和50年頃から地域農業者グループや農協女性部、市町村役場などが「無人販売所」の経験を積み重ね、農産物直売所を設立しました。
農産物直売所は、中小規模兼業農家や高齢農家などのために地域住民が協力してつくられ、農協に出荷できない規格外品を安く売る場所として機能していました。
秋田県大館市の「陽気な母さんの店」ではこの農産物直売所の先駆けでしたが、ここの初代理事長は「農家の嫁が義母や旦那をきにせず自由に使えるお金(へそくり)」が魅力だった。以前、秋田魁新聞に記事を投稿していました。また、レジも輪番制で会のメンバーが順番で行っていました。そういう事もあってか単なる職場では無く、「直売所=自分たちの店」と言う帰属意識が強いのが特徴でした。
農産物直売所の現在:
農産物直売所は地域活性化の拠点として、農家の自立や農家女性の活性化を目指して設立されていましたが、現在は直売所の超大型化や複合化、道の駅や食品スーパーのインショップ、オンラインショップなど異業種からの参入もあり産直販売は全国的に店舗数、総売上高も増加しています。生産者直売所(以下直売所)は農林水産統計六次産業化総合調査(令和3年3月公表)によると2019年時点で全国に23,650店、一店舗当たりの平均年商4,454万円と既に市民権を得た業態として全国に存在しております。
半面、生産者数の減少や品質の低下(生産者減を補う為、クオリティ低い生産者や商品を販売)などで直売所、産直販売のレベルが低くなっている事が危惧されています。
産直販売の魅力は「鮮度」「価格」「珍しさ」です。産直本来の姿に戻って一から構築し直す勇気も必要ですね。

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