道の駅30年とこれからのオーバーストア時代を勝ち抜くために

「道の駅」は、1993年に最初の103カ所が登録されてから30年が経ち、2023年8月時点で全国47都道府県の1,209カ所に達したそうです。当初は休憩場所として始まったが、次第に観光地として定着し、近年は地元住民の生活や防災の拠点となる施設も多くなっています。全施設の年間売上額は約2,500億円で、温泉や遊園地なども併設し、一日過ごせる道の駅も登場しています。一方、他の道の駅や別の商業施設との競争に疲弊するケースもあり、客足が伸び悩む施設も珍しくありません。日本旅行総合研究所の22年調査では、道の駅の4割が顧客満足のため「特産品の販売」に力を入れる一方、2割が運営上の課題に「売上の低迷」を挙げていました。成功のカギを握るのは経営的な視点や地域貢献かもしれません。その中で、岡山県矢掛町に2021年オープンした「道の駅山陽道やかげ宿」は、隣接する歴史的な町並みで買い物や飲食を楽しんでもらうことを第一に狙い、人の流れが商店街に届くようになりました。また、この30年で災害が頻発したことを受け、防災機能を充実させる施設も多くなっています。国交省は今後、地域の拠点としての機能を高めたい考えで、観光だけでなく、地元住民も立ち寄れる買い物の場や子育て支援施設を運営するケースも想定しています。30年を経過して道の駅はリニューアルを迎える施設が増えてくると思いますが、ハード改修のみならずソフトの在り方を戦略的に見直す機会となるでしょう。「他もやっているから」と言った特産品の安易な販売にコストを掛けた土産店の延長のような道の駅では、大同小異です。これからの道の駅オーバーストア時代を勝ち抜くためには抜本的な改革が必要だと思いました。

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