産直販売と衛生管理

先日、私がある産直施設のミーティングに参加した席での話、各スタッフからの問題点、相談の発表の場で「衛生管理」の基準が議題となりました。スタッフから出た意見として、「加工品で表示シールが貼られていない」「カットされた白菜の納品は雑菌が付かないのか」「不衛生なコンテナで出荷する生産者が居る」など。確かに問題は在るし、表示シールなどは基本出荷出来ないはず。しかし、大部分はグレーゾーンで自社としての基準が無いため、毎回対応に困っている。という声でした。農産物直売所の店舗、農家側で基準となるものは無いかと探したら、令和元年5月に全国農業協同組合中央会で発行した「農産物直売所における HACCP の考え方を取り入れた衛生管理のための手引書」をネットで発見しました。大変分かり易い文言で書いてあり初心者の私でも、なるほどと理解できる箇所が多々ありました。本書によりますと、農業者が農産物・加工品を搬入する店舗運営者向け農産物直売所における衛生管理の対象範囲して、1)農産物(委託品)2)加工品(委託品)に関しては、①受入(搬入)②陳列③販売④引上げ(引き取り)、3)仕入れ品に関しては①受入・保管②小分け・カット・陳列③販売④保管が対象範囲と位置付けていました。また、各々の対象範囲に関して「危害要因」と「管理のポイント」の事例が書かれていて例えば、2)加工品(委託品)の②陳列工程での「危害要因」の事例として・異物、アレルゲン物質等の混入・冷蔵、冷凍ケースの管理よる病原性微生物の増殖。「管理のポイント」の事例として・表示チェック・冷蔵、冷凍ケースの適切な温度管理・清掃が掲げられていました。

基本、農産物直売所等での産直販売は、農産物や加工品を市場・仲卸等を経由せずに消費者に直接販売する流通形態です。店舗に農産物・加工品を持ち込み、売れ残ったものは引き取る、生産と販売が分離した運営形態(委託販売)がほとんどです。委託販売のためか、衛生管理の基準や責任が仕入れ品と比べて、両者曖昧である。と改めて認識しました。今後この「産直販売と衛生管理」は都度ブログで投稿していきたいと思います。

産直販売プロデューサー 沼澤裕

産直販売プロデューサー 沼澤裕

株式会社コストSP総研 代表

産直販売が好き過ぎて仕事を代えた宮城県の男性/産直コンサル実績15年延べ220件以上/始めたきっかけは、元々地場野菜やローカル商品が大好きで全国の道の駅、食品スーパーに立ち寄るのが趣味でした。その「見て聞いて食べてきた」体験談を小売業社長に話すうちに「うちでもやりたい」「手伝って欲しい」となり、産直売場の改善、新規開設等が主力業務となりました/産直は立地・規模に関わらず、大手に対抗出来る数少ない集客策と確信しています!

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