新規生産者獲得のアイディア①

産直売上=生産者×商品数!

私は直売所のセミナーなどで話す機会がある時は必ず上記の産直売上の方程式の話をしています。

産直売上をアップさせるにはPOPや充実した設備など色々と施策があるでしょうが、行きつく処、産直売上=生産者×商品数。このどちらかあわよくば両方を増やす作戦を立て続けなければ、産直の継続的な売上伸長は望めません。

 

しかし、全国の直売所のほとんどが高齢化や離農などで出荷してくれる生産者の頭数が年々減少しています。スーパーのインショップの一角には「生産者募集中、詳しくは店長まで」などの募集POPが貼られていますが、効果はPOPを貼った数週間だけです。農家は基本地元の方々ですので、既に入会するしないは貼って数週間ですぐに決まってしまいます。


私が定期的にコンサルで入っている食品スーパーのインショップでも上記の様な課題がありました。

 

POPを貼ってもほとんど連絡がありません。そこで私は「産直チャレンジ販売会」なるものを店長に提案しました。簡単に言えば半日だけの「お試し販売」です。通常このスーパーでも他の直売所同様、新規の産直会員に関しては契約書を交わしたり、口座申請書を提出したり、生産者コードを事前に取ったりするなど「すぐ始めてすぐ止める」事は出来ません。その為に、どうしても新規の方達は二の足を踏んでしまうのです。

また、この地域は専業農家が少なく、小規模農家や貸農園でのグループ栽培が多い事を知り、余った野菜を消費できなくて持て余している事を聞きました。

 

そこで、11月の某日曜日の午前中、近隣の小規模農家さん、週末農園さん、家庭菜園さん10名限定のチャレンジ販売会を実施しました。キャッチコピーは「日ごろ、皆様が丹精込めて作っていらっしゃる野菜や果物を、一般の消費者に味わっていただき、今後の野菜づくりの参考やちょっとしたお小遣い稼ぎ、皆で楽しくやってみませんか!」と言うものです。

 

当日は、ビックリ!

開店前からお客様が並んで順番待ち。半分素人さんの野菜なのに・・・

 

 

私が思うに、お客様はきっと「宝探し」の気分なのでしょう。産直と言えど、規格やキレイな野菜が多い昨今、泥付ネギや葉のついたニンジン、無農薬で少し虫に食われた小松菜などは逆に希少価値があり、ワクワクドキドキ感があるだと体感しました!また出品者の中にはヨーロッパ野菜など数は少ないですが珍しい野菜を栽培している人も居てユニークなマルシェのイメージでしょうか。

ただ、どうしても品質などで不安な商品もあったりするので、その辺のチェックとホロー体制(事前の商品確認やワケ有りPOPなど)が必要ですが。

 

そして結果はと言うと、3時間弱の販売時間の中で完売の生産者が出るほど大盛況でした。

参加者全員から「来年春暖かくなったら、第二回を実施したい」と言う声を頂きました。

 

そして、企画の最大目標である新規会員も1名だけですが、申込みがありました。

聞くと、「毎日出品しなくていけないと思っていた。時々、野菜が余剰に出来た時だけでも良いなら。それに自分の作った野菜が売れるのが楽しかった♪」

話してみると、色々な誤解があるのですね。


新規生産者、集まらないのなら、こちらから仕掛けないと!

少し考えて仕掛ければ必ず生産者や商品は増えます。増えないと産直売上は伸びませんよ!

 

2017年12月27日