直売所の悩み①会員の高齢化・後継者不足

仕事柄、直売所や食品スーパーの産直スタッフ、生産者らに現状の課題についてアンケートを取ることがあります。すると決まって上位1位、2位に上げられるのが「会員の高齢化・後継者不足」問題であります。

 

「会員の高齢化・後継者不足」だと何が問題なのでしょう?

それは会員数(生産者)の減少→納品数の減少→売上の減少(慢性的な)

というように、直売所の存続に直結する死活問題なのであります。

 

少子高齢化や第一次産業離れは、日本国全体の問題であり、それを先取りする形で地方や個人農家に波及しています。

こういう状況でジタバタしても始まらない!と言う大学の先生等も居ますが、私は可能な限り知恵と汗を出して、「会員の高齢化・後継者不足」の緩和、売り上げ減少カーブを描かせない努力は「商い」を志す人たち(店舗)には絶対必要だと確信している1人なのであります。なので、ジタバタ論を書かせていただきます。

 

 

高齢農業者に今少し頑張って、生産・納品を続けていただくには、こちら(店舗)も何らかの支援策が必要だと思います

 

イメージは、「高齢生産者に優しい店舗!」

 

高齢者に優しいサービスやシニア向け商品などと言う言葉は良く聞ききますが、「高齢者に優しい店舗=弱者(高齢生産者)を支える売場づくり」は聞いたことがありません。要は納めやすい売り易い売場提供!と言うことです。

 

具体的には、高齢生産者への①納品代行(搬入出来ない生産者の出荷代行)②高齢者だけの売場やイベントの企画③会員活動への声掛け参加(納品量は減っても会合や視察旅行などには必ず声掛けをする)④栽培勉強会などの講師依頼⑤商品づくりのプレゼン勉強会への声掛け参加(高齢農家は作物づくりは上手ですが、形や見栄え、パックの仕方やラベルなどの魅せ方は若い人と比べ苦手意識を持っている場合が多い)などなど。

要は店舗や若手らから「まだまだ頼りにしています、されています」と言う受け入れ体制づくりが大事なのです。人間、いくつになっても頼りにされることほど嬉しいものはありません!

 

自分が作った野菜を喜んで買う消費者を見て、より生き甲斐や生活の励みとする高齢生産者はまだまだ沢山おります。その元気ではつらつと動く老人達を見て、子供や孫たちは安心し、自分たちも頑張らねばと思い返す人生の先輩となるはずであります。そしてその地域全体も元気、活性化していくきっかけ作りとなるはずです。

 

また、後継者で直売活動に参加している方々は基本積極的で意欲的な若手が多いです。それらの若手らに対し店舗(組織)として対応してあげると、彼らの行動意欲やアイディアなどは高まり、更に店舗は活性化するでしょう!問題は今までそう言った、ステージやシナリオを全く用意して来なかったことにあるのです。場を与えて上げましょう!店舗側から。

 

具体的には、①後継者だけの売場コーナを作る。②店舗として開発したい新規作物や栽培方法を相談、委託(提携)する。③後継者だけのグループ活動を店舗として支援する。④学校や職場体験など地域を巻き込んだイベントを一緒に企画し、サポートしてあげる。などなど


また、後継者ではありませんが新規就労者を掴まえるのも明日のわが売場を補う重要なポイントです。

現在、農業と関係の無い異業種や全くの初心者まで、目的をもって農業を始める若手や家族農家が増えております。

彼らは独学で農業を覚え、JAなどにも出荷せず、ネットや飲食店などに販路を求めている場合が多いです。

そのため、直売所に納品しお客さまから生の声を頂いたり、有人試食などで反応をチエックすることに大変興味を示す場合が多いです。

また、周りと交流を持たずネット情報などで農作業しているケースも多いので、同世代の後継者との交流や高齢農家等の野菜作りのノウハウやアドバイスは涙が出るほど有り難く嬉しいものです。

 

「高齢農家」「後継農家」「新規就農者」などを店舗側で上手にマッチング、プロデュースしてあげることが、店舗側の生産者確保、納品数安定に絶対繋がります。この3者のレールを引いて繋ぐ役目は「店舗」「担当者(店長)」しか居ません。

 

待っていても「生産者」「納品数」は増えません! こちらから仕掛けて見ましょう!

是非、チャレンジしてみてください!

 

 

2017年05月11日