第3回:手数料改定は伝え方が大事!持続可能な産直経営を

——「説明」ではなく「共感」から始めよう——

手数料を上げる話題ほど、直売所にとって気の重いものはありません。
しかし「どう伝えるか」で、農家さんの受け止め方は大きく変わります。

まず大切なのは、“数字の話”をする前に“共感の話”をすること。
「みなさんの野菜が売場を支えてくれている」「この地域の魅力は農家さんのおかげ」——このように、相手の努力や貢献をきちんと認めることから始めましょう。
その上で、「実は運営コストが年々上昇し、このままでは維持が難しくなっている」と、事実を丁寧に共有します。

次に、資料を使って“見える化”することが効果的です。
たとえば「電気代+30%」「人件費+40%」など、数字で示せば感情論になりにくくなります。
また、「値上げ」ではなく「直売所を続けるための見直し」という言葉を使うと、理解が得やすくなります。

最後に忘れてはいけないのが、“還元の視点”。
「売場の清掃を強化します」「販促イベントを増やします」など、手数料アップで得た分をどう農家に返すのかを明確にすることで、納得感が生まれます。
ある直売所では会員が集まる年次総会の中で集客イベントと防犯対策について話し合いが行われ、新たなイベントとして「軽トラ市」の開催と、万引きロス対策として「防犯カメラ設置」が議題に上がりました。
どちらも農家さんの売上・粗利に直結する部分なので、手数料改定とセットで話し合われました。

次回は、「手数料を上げたあと、信頼を維持する運営法」をテーマにお届けします。

産直販売プロデューサー 沼澤裕

産直販売プロデューサー 沼澤裕

株式会社コストSP総研 代表

産直販売が好き過ぎて仕事を代えた宮城県の男性/産直コンサル実績15年延べ220件以上/始めたきっかけは、元々地場野菜やローカル商品が大好きで全国の道の駅、食品スーパーに立ち寄るのが趣味でした。その「見て聞いて食べてきた」体験談を小売業社長に話すうちに「うちでもやりたい」「手伝って欲しい」となり、産直売場の改善、新規開設等が主力業務となりました/産直は立地・規模に関わらず、大手に対抗出来る数少ない集客策と確信しています!

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