第1回:手数料据え置き、もう限界!持続可能な産直経営を

スーパーや直売所、道の駅の経営者の皆様、こんにちは。
スーパーの産直コーナ、農産物直売所では農家さんから20%前後の「委託販売手数料」を取って産直野菜などを販売運営しているところが大部分であります。しかし、この「委託販売手数料」設定の根拠は非常に曖昧で、一番多かったのは「〇〇は20%だからうちも20%」のように競合店を見て判断しているケースがほとんどでした。
しかし、その長年続いた安易な慣習が、今、静かに私たちの経営を蝕んでいます。

ご存知の通り、ここ数年のコスト上昇は凄まじいものがあります。私が住む宮城県を例にとっても、最低賃金はこの10年で約43%も上昇しました。今月からは1038円10年前から312円増、電気料金に至っては30%以上の値上がりです。
一方で、皆様のお店の売上はいかがでしょうか?多くが横ばいか、微増にとどまっているのが現実ではないでしょうか。

売上は変わらないのに、経費だけが膨れ上がっていく。このまま手数料を据え置けば、いずれ立ち行かなくなるのは火を見るより明らかです。

「農家さんの手取りが減ってしまう」「お客様への価格転嫁は避けたい」そのお気持ち、痛いほど分かります。しかし、もう限界が近づいています。今年10月からの最低賃金引き上げで全国全て大台1000円突破、そして来年10月にはインボイスの経過措置変更で、免税農家さんからの仕入れにかかる消費税負担額は現在の2.5倍にもなり得ます。

私たちが守るべきものは何でしょうか。それは、生産者と消費者を繋ぐ「直売所」「スーパーの産直コーナ」という場所そのものです。直売所が閉鎖してしまうことこそが、農家さんにとっても、地域のお客様にとっても、最大の損失ではないでしょうか。

今こそ、聖域なきコスト見直しと、持続可能な経営に向けた手数料の適正化を真剣に考える時です。このブログでは、数回「持続可能な直売経営」をテーマに、具体的な改善策を皆様と一緒に考えていきたいと思います。
次回「第2回:適正手数料をどう考えるか?」をテーマにお届けします。

産直販売プロデューサー 沼澤裕

産直販売プロデューサー 沼澤裕

株式会社コストSP総研 代表

産直販売が好き過ぎて仕事を代えた宮城県の男性/産直コンサル実績15年延べ220件以上/始めたきっかけは、元々地場野菜やローカル商品が大好きで全国の道の駅、食品スーパーに立ち寄るのが趣味でした。その「見て聞いて食べてきた」体験談を小売業社長に話すうちに「うちでもやりたい」「手伝って欲しい」となり、産直売場の改善、新規開設等が主力業務となりました/産直は立地・規模に関わらず、大手に対抗出来る数少ない集客策と確信しています!

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